設定の違いによる映像の比較【2】

文字による画質の比較

ブロードキャスター、FME、PRODUCERの設定によって文字が読めるかどうかを比較します。この比較によって、比較的動きのない中継の場合の最適な設定を探ります。

基本的に静止中の画像での比較なので実際の中継とは大きく違います。USTREAMでよく使用されるVP6やH.264といったMPEGをベースとした映像フォーマットは、動きのある映像を変換する際にマシンパワーをつかいます。よって、実際の中継では今回のテストとは違いCPUパワーをどの程度必要とするのかをチェックする必要があります。この比較はもうちょっと先でやりますので、お待ちください。

まずはブロードキャスターを標準設定の状態で試してみます(画面)。

BC 標準設定 文字画像

BC 標準設定 文字画像

全体的に文字の判別は不可能です。また、動画もブロックノイズが目立ちます。

続いて、ブロードキャスターの設定を高画質重視にします(画面)。画質を95、フレームレート補正を23、高解像度のチェックをON。

BC 高画質設定 文字画像

BC 高画質設定 文字画像

右上の方の斜めの文字ですが、「MARE TRANQUILLITATIS」と書いてあるのですが、何となく読めるレベルです。また動画で確認しても、ブロックノイズはほとんど分からないレベルです。

次は、Flash Media Live Encoder(以下FME)の時を使用します。このソフトを使用することで、画質や音質を細かく設定することが可能です。ただし、配信する機能を持っていないため、ブロードキャスターと組み合わせる必要があります。

最初の設定は、PresetからHigh Bandwidth(800Kbps) – H.264を選択。このときの注意点として、DVカメラを使用する場合、縦横比が3:2となるため、Input Sizeの横にあるMaintain Aspect Ratioにチェックを入れます。こうすることで、出力サイズが320×214となり、画像がひずむことを避けることが出来ます。(画面

FMLE プリセット 800Kbps

FME プリセット 800Kbps

画質としては、ブロードキャスターの高画質設定よりちょっと悪い程度。ブロックノイズも目立たない。この時点で分かったこととしては、ブロードキャスターは入力画像の両端を切って4:3にしていて、FMEは入力画像の縦横比を変えて4:3にしているということです。FMEで両端を切りたい場合は、クロップで設定できます。

画質を良くしようとした場合、入力画像と出力画像のサイズが非常に重要になってきます。今回はDVカメラを使用しているので、入力画像は720×480の3:2のサイズとなります。一方出力サイズは、ブロードキャスターの設定は320×240となっているため、入力画像を縮小して表示している事になります。さらにUSTREAMの再生パネルのサイズは608×342となるため、縮小した画像を更に拡大していることになります。その為、画質が劣化していくわけです。

それなりの画質を実現する為には、この画像の拡大と縮小を押さえる必要があります。ブロードキャスターでは出力サイズを設定できないのでFMEを使用して試してみます。

FMEの設定を先ほどの状態から少し変えます。まず、Input Sizeを720×480に設定します(360×420の上がこのサイズしかないため)。次にOutput Sizeを512×342に設定します(再生パネルの高さを基準に3:2のサイズとしています)。以上で設定は完了です(画面)。OutputSizeは正確には513×342なのですが、Startボタンを押すと偶数にしろという警告が出て自動的にこのサイズになります。

FME 入力720x480 出力512x342 帯域800Kbps

FME 入力720x480 出力512x342 帯域800Kbps

いかがでしょうか?今までと違い文字もかなりはっきり読むことが出来ます。また、全体的にピントのあった感じの画像となりました。ブロックノイズもほとんど気になりません。次は、Input Sizeを720×480 OutPut Sizeを720×480としてみます。

FMLE 入力720x480 出力720x480 帯域800Kbps

FME 入力720x480 出力720x480 帯域800Kbps

こちらもいい感じです。先ほどよりも若干鮮明に見えます。また色味が若干変化しています。これは、撮影時間ずれているため光の加減が変わった可能性があります。光の加減が変わるとコントラストが変わるので、その為鮮明に見える可能性もあります。今後のテスト時の注意事項とします。

この2つのテストから分かることは画質を保つためには、拡大縮小の回数をなるべく減らすということです。拡大縮小が行われるポイントは、
入力画像→(※)→FME→(※)→ブロードキャスター→ネット→USTREAM.TV→ネット→(※)→ブラウザ
上記のようになり、※のところが拡大・縮小が行われるポイントです。つまり、配信側で拡大縮小するか、視聴側で拡大縮小するかを考える必要があるということです。視聴側が最近のPCばかりなら良いですが、古いPCやiPhone、iPod等も含めて考えるとなるべく配信側で拡大縮小を行った方がよいと言えます。

最後に、USTREAM PRODUCER(FREE版)も試します。こちらは設定できる項目が少ないのですが、「環境設定」→「アドバンス」のキャプチャデバイスサイズがネイティブになっているかを確認してください。また、DVカムがプログレッシブモードに対応していないときは、デバイスインターレースをブレンドにすることで横縞を消すことが出来ます。

最初は、SettingsからBest SD Quality 4:3です。この場合、入力サイズは720×480となり出力サイズは640×480となります。PRODUCERの場合は、幅を最大にして上下の余りに黒帯を入れるようになっています。この場合、画像部分のサイズは640×426となり、約89%の縮小率となります。

PRODUCER BEST SD 4:3

PRODUCER BEST SD 4:3

FMEの時と同じで文字が読めるレベルです。ただ、上下の黒帯がやはり気になります。

次に、Best SD Quality 16:9です。この場合、入力サイズは720×480となり出力サイズは720×405となります。この場合は、高さで合わせる事になり左右に黒帯が入ります。また、画像部分のサイズは608×405となり約84%の縮小率となります。

PRODUCER BEST SD 16:9

PRODUCER BEST SD 16:9

4:3と比べると、縮小率が5%ほど大きくなるので、画質も悪くなっています。つまりDVカムを中心にPRODUCERを使用する場合は、Best SD 4:3を選ぶのが良いということになります。PRO版を持っている場合は、DVカムの映像をクロップ(切る)したり、位置を変更したり出来るので映像ワクを下に持って行って上の黒帯にタイトルを入れたり出来ます。

結果

結果としては、FMEで入力画像を元のままの720×480として、出力サイズで調整する方法が一番画質的には良いということが分かりました。視聴者側の事を考慮して、出力サイズを512×342にするのが一番だと考えます。視聴パネルを最大化して見ることを考えた場合は、出力サイズを720×480にしても良いと思いますが、USTREAMのコンテンツ(だだ漏れ系や音声重視系等)とPCでの視聴スタイル(他のことをやりながら視聴)ということを考えると、設定する機会は余り多くないと思います。また、iPhoneやiPodでの視聴を想定している場合は、PRODUCERのBest SD Quality 4:3を使用するのが一番早いです。FMEの場合、もう少し設定を変更すれば視聴できるようになります。この辺りは次回以降に試してみます。

ほとんど対象が動かないような状況はあまりないとは思いますが、この状態でのテストを行うことで、どの設定が画質的にバランスがいいかを検証することが出来ました。次回以降は今回の設定をベースに動きのある映像の場合を比較し、今度は画質だけでなくCPUパワーをどれくらい使用するかも含めて検証をしていきます。

次回、「設定の違いによる映像の比較【3】」をお待ちください。

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